人形の着物仕立ても最終回。袷着物なのに「襟つけ」を後回しにする理由
数回にわたって、お人形の着物仕立ての様子をお届けしてまいりました。
最後は、襟つけです。
身頃の襟つけ印を確認して襟丈を測り、襟布をとります。
襟つけは、背縫いを中心に左右に振り分けて縫うと縫いやすいです。
待ち針を打つ時、ゆるみを入れる所と平らにする所に気を付けます。
襟肩まわりは特に細かい間隔で打ちます。
表身頃と裏身頃もまとめて縫いますので、ずれないように気を付けて。
襟肩まわりの襟布が引きつると、出来上がったときに身頃にシワが寄ってしまいます。
襟肩明き裁ち切りのカーブのところは、襟布にゆるみを持たせ小さな針目で縫います。
襟つけどまりまで縫えたら、
四つ留めをして襟先を縫います
襟肩明きに三つ衿芯を縫い留め、
襟布を襟巾に折り込んで、くけたら襟つけの出来上がり。
袷着物の襟つけは、人間の着物では表衿と表身頃、裏衿と裏身頃をそれぞれに縫い付けておいて、あとから襟をくけますが、
人形の着物の場合に同じようにすると、厚みが出過ぎて納まりが悪くなります。
そこで、単衣着物のように表襟だけで仕立てていきます。
襟布、表と裏身頃の三枚をまとめて縫えばよいので簡単ですし、胸元もすっきりした印象に仕上がります。
襟つけは後回しにしたほうが◎ということです。
最後の最後に衽裾のとじをします。
袷着物の仕立てはこれで完成ですが
着付けのための伊達襟を作ります。
ということで、
次回は「伊達襟と着付け」の予定です。
どうぞお楽しみに♪
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※
人間の着物と同じように仕立ててますが、
人形の着物ですので手順を変更したり、省略している部分もあります。
記事では、玉留めや返し針、アイロンがけの説明を省略している箇所もあります。
仕立ての様子をご覧いただくための記事で、仕立てを講習するテキスト的なものではありません。ご了承ください。
※
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やっぱり着物が好き
2020.04.24 | コメント(0) | そのた
